「再婚承認を要求します」の小説のあらすじと感想を紹介します。
前回のあらすじ
刑が執行され、塔に閉じ込められたラスタですが、死ぬ直前、ラスタが見たのは自分の微笑むナビエでした。
「再婚承認を要求します」 201話のあらすじ ※ネタバレ注意
激しい雨の中、1つの馬車が城門の外に出ました。大抵の貴族はこの雨のせいで外にでようとしなかったため、この馬車に誰かが気づくこともありませんでした。
「公爵様がなぜ皇女様を助けてくださるのか、正直理解ができません。」
「ソビエシュ皇帝陛下がその子の命を奪う可能性がありましたから」
馬車の中には、ベルディ子爵婦人、エルギ公爵、グローリーエムが乗っていました。
ラスタを裏切ったエルギ公爵をベルディ子爵婦人は疑っていましたが、エルギ公爵以外に頼る人はいませんでした。
“なぜエルギ公爵は皇女様を助けようとするのかしら…”
ベルディ子爵婦人の気持ちに気づいたエルギ公爵は、「助けるのはこれが最初で最後、今後かかわることもないでしょう」と答えました。
そして、この助けは強要ではないのだから、別に断ってもらってもいいと冷静に言いました。
エルギ公爵の言葉は事実でした。その上でベルディ子爵婦人がエルギ公爵の提案を受け入れたのは、生まれてからずっと守ってきたグローリーエムを、大切なグローリーエムを守るためでした。決心したベルディ子爵婦人は力強くグローリーエムを抱きしめました。
信用できない相手しか頼れない状況のベルディ子爵夫人…夫人のグローリーエムへの想いの強さが伝わります。
エルギ公爵が馬車を降りる時、ベルディ子爵婦人に最後の忠告をしました。
「ソビエシュ皇帝陛下が追ってくるでしょうから、急いでください。おそらくあなた方にはいいことではないでしょう」
ソビエシュは近隣の国々から届いた手紙を読むとため息をつきました。新しい皇后を迎えるべきだという手紙の内容でした。
裁判でのラスタの『陛下に種がない』という発言を信じる者はいませんでしたが、もしソビエシュが3人目の皇后を迎えたら、人々は2人の間に子供ができるかどうか注目することになり、そのことを考がえるだけでソビエシュはおなかが痛みました。
ナビエが妊娠した今、ソビエシュ自身が不妊なのではないかと思っているから尚更ですよね…。
ソビエシュは医者に薬を処方してもらい、気持ちを落ち着かせるために、執務室を出て歩き出しました。しかし、ナビエの再婚やグローリーエムが出て行ってしまったことを思い出して落ち着くことはできませんでした。
“無事にベルディ子爵婦人は逃げれただろうか”
もう一生会うことのないグローリーエムのことは忘れようと考え直し、執務室に戻ることにしました。
すると、カルル侯爵が難しい表情をして西大帝国の使者がやってきたことを告げました。
西大帝国の使者に用件を尋ねると、ナビエが襲撃されたことを報告します。
「…死んだのか?」
「いえ、命はとりとめましたが、まだ昏睡状態でして…」
「我が東大帝国に治癒魔法を使える者がいる。その者はナビエが後援していた者だ。その者を送ろう」
西大帝国の使者が言う前にソビエシュはエベリーを派遣することを提案しました。
そして急いで準備し、西大帝国へ向かうエベリーを乗せた馬車を見送りながら、ソビエシュはナビエの名を呼びました。
悪い知らせは続きました。
数日後、ラスタの様子がおかしいと看守がソビエシュに報告しました。何日も食事をしないラスタを不思議に思った看守は食事を出し入れする戸から中の様子を見てみると、血に濡れた銀色の髪が見え、動いている様子はなく、そして異臭がしました。中を確認しようにも、中に入るためには皇帝の許可が必要になるため、ソビエシュの元へやってきたようでした。
ソビエシュが直接見に行くと、そこにはすでに腐敗し始めており、目が開いたままの血に塗れた状態の死体がありました。そんなラスタの惨めな姿を見てもソビエシュの胸がすくことはありませんでした。
「陛下はなぜラスタを愛していると言ってくれないのですか?」
ソビエシュはそんなラスタの声が聞こえたような気がしました。
”天使のような彼女は嘘の姿だったのだろうか…それとも善人だったが、権力や貴族、そして私が彼女を変えてしまったのだろうか…”
ソビエシュの疑問はもう誰にも答えることができませんでした。
そしてソビエシュはラスタの遺体を火葬して広い高原に散骨するように指示しました。
ソビエシュの夢は妻と子のいる家庭で幸せに生活することでした。しかし、生涯を共にすると誓った妻とは別れ、あれほど求めていた娘は自分の子ではなく遠くに行ってしまい、そして争った元妻は死んでしまいました。
多くの平民でさえ叶っているその夢を皇帝である自分が叶えられないことを皮肉に思いました。そして、幸せを掴んだと思っていたナビエが襲撃され、今も昏睡状態である今、ソビエシュは両手で頭を覆い、ナビエの無事を祈りました。
翌日、エルギ公爵がソビエシュに会いに来ました。ソビエシュは顔も見たくありませんでしたが、エルギ公爵の行動に理解ができない部分が多く、思惑を知りたいと思いました。
ナビエの脱出を手伝ったり、仲がいいと思っていたラスタに罪を押し付けたり…ですね
「東大帝国を出ていきたいと思います。陛下、今までありがとうございました。」
「ラスタが死んだのは知っているか?ラスタがおかしくなった原因に君が関係していると思っているのだが、一体何の恨みがあったこんなことをしたのだ?」
「そういう陛下こそ、何の恨みがあってあんなことをなさったのですか?」
「再婚承認を要求します」 201話の感想
今回はとても重い回でしたね…。グローリーエムの出発はエルギ公爵が絡んでるせいで先行き暗いですが、ソビエシュがうまく誘導してくれると信じて…
そしてナビエの重体とラスタの死によるソビエシュのメンタル崩壊…。このソビエシュという男に関わった女性は全て不幸になる呪いでもあるのかと言うほど悪い知らせが続いてますね…
次回、エベリーの活躍を期待します!!
そして最後のエルギ公爵の返し…ソビエシュが何かしたようですね…!!エルギ公爵が東大帝国を陥れようとしていた理由がついに明かされるのでしょうか?気になる展開です!!
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