「再婚承認を要求します」の小説のあらすじと感想を紹介します。
前回のあらすじ
カフメン大公がコンプシャを探っていると、誰かが近づいてきました。
「再婚承認を要求します」 198話のあらすじ ※ネタバレ注意
カフメン大公は2階の窓から飛び降り、膝を負傷したものの、受け身がうまくできていたため、大きな怪我にはなりませんでした。
”何か物音がしたような…いや、気のせいか”
カフメン大公は気付かれなかったことに安堵したものの、邸宅に入ってきた者が誰でなぜやってきたのか、それが分からなかったため、しばらく様子を伺うことにしました。
”クリスタ…我が妹よ。必ずお前の復讐をしよう”
その心の声に、声の主がクリスタの兄であるズメンシア公爵だということがわかりました。しかし、ズメンシア公爵はクリスタの復讐をしようとした父であるズメンシア老公爵と衝突し、家を追い出されたため、なぜ今になってズメンシア公爵の考えが変わったのか疑問に思いました。
”お前は確かにミスをした。しかし、受けた罰は受けるべき罰よりも重すぎた”
カフメン大公は一度屋敷の中に戻り、ズメンシア公爵がもらす心の声を聞いていくと、ズメンシア侯爵の思いを色々知ることができました。
ズメンシア公爵はクリスタのことを大切に想っていましたが、今ハインリと敵対するのは良くないと思い、また、自分の子供達への影響を考えて、父であるズメンシア老公爵と衝突したのでした。
188話でハインリがズメンシア老公爵への嫌がらせで孫だけを招待しなかったことがありましたもんね…
しかし、そんなズメンシア公爵がなぜ心変わりし、事件を起こそうとしているのか、カフメン大公は理解ができませんでした。
”幸せが戻る時、それはクリスタ、お前が笑う時だ”
ズメンシア公爵、ちゃんとした登場は初ですけど、かなりヤバめの人…?
ズメンシア公爵が邸宅を出ていった後、ズメンシア公爵がいた窓際をカフメン大公が調べると、そこには窓を塞いでいたような跡が残っていました。
マスタスが塞いだ跡でしょうか…
ズメンシア公爵が何を起こそうとしているのかは分からなかったものの、心変わりをした理由がなんとなくわかったカフメン大公は急いで邸宅を出て首都へ向かいました。
その姿をズメンシア公爵が見ていました。
え、怖い。
裁判が終わったあと、ナビエの母親とランドレ子爵はソビエシュに呼ばれたようでした。ナビエの母親が帰ってきた時、ナビエはどんな用件でソビエシュに呼ばれたのか母親に尋ねると、コシャールとランドレ子爵の東大帝国追放の刑を解くと言う内容だったことをナビエに話し、ナビエの母親は突然噴き出しました。
「陛下が『ランドレ子爵にはたくさんの苦労をかけた』とおっしゃったの。そしたらランドレ子爵が『私にとって陛下とラスタの違いは権力があるかないかで、二人とも同じようなものです。そんな陛下から慰められたくありません』って言ったのよ」
ランドレ子爵にそんなことを言われても、エルギ公爵の港の件で月大陸連合に提訴しようとしている手前、月大陸連合の連合騎士団長であるランドレ子爵とトラブルになることを避けたいソビエシュはただじっと黙っているだけのようでした。
母親との夕食を終えたナビエは部屋に戻ってベットに横になると、執事が尋ねてきました。
「お嬢様…リドル卿という方がお嬢様に会いたいといらっしゃってます…」
リドル卿は幼い時、ナビエとソビエシュの2人だけに分かるように付けたソビエシュの呼び名でした。
「私はすでに寝たと伝えてください」
執事は動揺したものの、承諾して出ていきました。
それから2時間ほど経って、部屋を出て窓の外を見ると、ソビエシュらしき人物が立っていました。
帽子を深くかぶっており、肩は震えていたため、ナビエは泣いているように見えました。
しばらくその姿を見てから、ナビエは再び部屋に戻り、ベットの中に入りました。
翌朝、ナビエは西大帝国に帰ることを母親に告げ、朝食後に準備をして馬車に乗りました。昨日のソビエシュのことが気がかりで、ふと昨日ソビエシュがいた場所を窓から覗くと、まだそこにソビエシュが立っており、こちらを見ていました。
え、怖すぎる。今回の話、ホラー様子多め。
一瞬合ったその瞳には絶望が満ちており、助けてくれと言っているようでした。しかし、今更自分にできることはないと思ったナビエは目をそらし、ハインリの肩に頭をのせました。
ソビエシュが死ぬ直前の人に見え、ナビエの心臓は激しく鳴り響きました。
「クイーン?」
ナビエはすぐにハインリの肩から頭を離しました。
「もっと寄りかかってもよかったのですが…」
「…大丈夫です」
窓の外を見たハインリはナビエに外を見るように言います。しかし、ソビエシュを思い出し、ナビエは外を見るのを拒否しますが、ハインリが何度も言うので窓の外を恐る恐る見ることにしました。するとそこには赤い布を振る多くの人々がいました。
「皇后陛下ー!」
ナビエはラスタの結婚式の日を思い出しました。あの時、自分に対して不満を露わにしていた人々が東大帝国で『幸運を祈る』という意味を持つ赤色の布を振りながら、馬車を追いかけてくれる。その姿を見たナビエは思わず涙をながし、ハインリはナビエを抱きしめました。
「西大帝国で赤い布は『不幸』を象徴するので複雑ですが…人々は皆、クイーンの幸せを祈っています。これから子供も生まれるし、良いことばかりが起こるでしょう。良いことだけを見て、考えて、幸せに暮らしましょう」
確か、赤い布と青い布は東西で全く違う意味がありましたね…以前この話が出てきたのは、ハインリとの手紙を届けるために鳥になるマッケナに危険を知らせるために、西流の赤い布でナビエが知らせたものの、マッケナは東流に受け取って仇となるという…
西大帝国の首都に戻ったカフメン大公は宰相に会いに行き、ズメンシア公爵はナビエとハインリを狙っていること、そして2人が帰ってきた時に攻撃を仕掛けてくることを伝えます。
宰相は2人が帰ってくる時の警備体制は万全だと返しますが、ナビエが心配なカフメン大公は個人的に東大帝国からの帰路を見張ることにしました。
数日経っても特に何もなく、ナビエたちも無事宮殿にたどり着いたので、カフメン大公は安堵し、ナビエにそのことを伝えようとしたその時、”父上、先に行くことをお許しください。愛する妻、子供達よ。クリスタ、お兄様がプレゼントを持ってそっちに行くからな”と言う心の声が聞こえました。
死ぬ間際と思わせるその言葉に驚いて顔をあげると、ズメンシア公爵が屋根の上から飛び降りるところでした。人々は気づいておらず、ナビエは幸せそうに笑っていました。そして、ズメンシア公爵がナビエの頭上に落ちていくことに気づいたカフメン大公はナビエを覆うように抱えました。
そして2人の上に何かが音を立てて落ち、一瞬の静寂が訪れ、悲鳴が響き渡りました。
カフメーーーーーーーーーン!!!!!
「再婚承認を要求します」 198話の感想
前半のソビエシュのずっと待ち続ける姿にゾッとして、カフメンのナビエを想い動く姿に心がほっこりさせられ、最後のズメンシア公爵の行動に絶望するという、感情ジェットコースターな話でした…。ズメンシア公爵、ナビエを狙ったんですよね…?ナビエ一切悪くないのに!!これからやっと幸せになれるはずだったのに!!!東大帝国で幸せを祈る赤い布を振ってもらったのに、まさかの西大帝国での『警告』を意味する赤い布(フラグ)になってしまったじゃないですか!!
ナビエの氷の魔法が発動してハリネズミ的な感じになって、むしろズメンシア公爵を返り討ちにするとか、そういう次回を期待します…カフメン大公とナビエと赤ちゃんが無事でありますように…