「再婚承認を要求します」の小説のあらすじと感想を紹介します。
前回のあらすじ
一命は取り留めたものの、ナビエはまだ目を覚ましませんでした。
「再婚承認を要求します」 200話のあらすじ ※ネタバレ注意
「ベルディ子爵夫人がグローリーエム嬢を連れて城を出ました」
「気付かれないよう脱出を手助けしろ」
騎士からの報告にそうソビエシュは答え、エルギ公爵側の人間のフリをして、自分が用意した貴族に引き合わせるように指示しました。
196話でソビエシュは自分の娘でなくてもすでに愛着をもったグローリーエムを奴隷にしないためにエルギ公爵の提案を利用して外国の貴族令嬢にしようと考えたんでしたね!
”これでやっと今までの情が無くなるだろう…”
そう思っても、ソビエシュの頭の中からグローリーエムが消えることはありませんでした。
ソビエシュはぼんやりと寝室に行ってカゴの中の青い鳥を眺めました。自分を見て鳴く鳥を見て、自分の愚かさを痛感しました。
ソビエシュは西宮に向かいました。西宮は皇后が使用する宮殿で、すでにラスタのものは全て片付けられていました。ソビエシュが空っぽになった部屋を眺めているとナビエが思い浮かんできました。
『陛下、見てください!私の部屋です!』
ソビエシュはナビエが初めてこの部屋に来たときのことを思い出しました。
『これが権力の香り…』
そう言って皇后になったことに浸るナビエを思い出し、ソビエシュは笑みをこぼしました。
ソビエシュはナビエに贈った机のもとに移動しました。机に座ってナビエに手を伸ばすとナビエはそれに応えるようにソビエシュを抱きしめ…。
「ナビエ…」
ん?妄想…?
ナビエとの想い出がたくさんあるにもかかわらず、どうしてナビエが冷たいと思ったのか、こうなるとわかっていれば、最初からシャルルを後継者にすれば良かった、何のために幼馴染であり、友人であった妻を捨ててしまったのかとソビエシュは後悔しました。
シャルルはリルテアン大公の息子でソビエシュの次の皇位継承者ですね!
「ナビエ…」
ソビエシュは何度も拳で床を叩き、辛いこの現状に涙しました。
「一度だけ、一度だけでいいから私を見てくれ!」
ソビエシュはあの日の夜、カーテンの後ろに隠れているナビエを見ていました。そしてその横にいるハインリの目は”もうお前の妻ではない”と言っているようでした。
ラスタの裁判の日の夜のことを言ってるんですかね?
「ナビエ…もし私が死んだら振り返ってくれるのか?」
一体いつから間違えてしまったのだろうかとソビエシュは思いました。
”ラスタを連れてきたのが間違いだった。狩りに行くべきではなかったんだ。いや、違う。ラスタを連れて帰って治療した後に同情すべきではなかったのだ。そしてその時に妻に言うべきだったんだ。『狩りに行った時に逃亡奴隷を連れて帰ってきたと聞きましたが、本当ですか?』と尋ねるナビエにちゃんと応えるべきだったんだ”
そこからソビエシュに後悔が押し寄せました。
ナビエの侍女を罰するべきではなかった、ラスタと比較してはいけなかった、側室にしなければ、ナビエの名を使ってラスタにプレゼントを贈らなければ…そしてナビエと離婚しなければこれらの後悔を謝り、過ちを償うことができたという事実がさらにソビエシュを苦しめました。
ソビエシュは廊下にいる護衛にお酒を持ってくるように言いました。
酒に溺れながら、ソビエシュは「ナビエ」と呼び続け、その場に座り込んで泣きました。
外ではロテシュ子爵たち4名の処刑に人々が歓呼する声をあげていました。
ラスタは廃位され、着ていた服は脱がされ、黒い服に着替えました。
そして騎士たちに腕を掴まれ、塔へと連れて行かれていました。
「自分の手で仕えていた方を離婚裁判所にお連れしたあの日からずっと、今日が来るのを待っていました」
そう言った騎士はいつもナビエの後ろにいた騎士でした。
「みんなラスタを裏切るのに、なぜあの人は裏切られないの?」
「裏切られたからあなたが皇后になれたのでは?」
そう騎士は返し、ラスタでは孤独な塔での生活に耐えられないだろうと思いました。
塔の中にはベットと小さな浴室があり、暗い塔の中では高い位置にある小さな窓から入ってくる光が唯一でした。
この場所で一生暮らすことを考えたラスタは恐怖を感じ、「開けて!」と何度も叫びましたが、誰も来ませんでした。
ベットに丸まって座ると、笑いながら舌を見せてきたデリスや逃げる時に刺したアリアン、フィックスの首、青い鳥の鳴き声が浮かんできて、その全てが襲いかかってきました。
フィックスは137話でラスタのために暗殺者を探して殺された男ですね…
「怖い!怖い!怖い!嫌ー!!!」
ラスタが泣きながら扉を叩いていると、食べ物を入れる小さい扉から白い手が入り、薬が入った瓶が置かれました。それはどう見ても毒薬でした。
「何よこれ!!」
ラスタは瓶を投げつけ、絶対に飲まないと誓い、布団に包まりました。
しかし、三日を過ぎた頃、ラスタは瓶を握りしめました。これまでラスタが傷つけた人々の幻影が付き纏い、もうこれ以上ラスタは耐えられない状態でした。
ラスタは涙を流しながら毒薬を飲み込みます。
「陛下…どうして助けにきてくれないのですか…」
毒が回り始め、ラスタの体が痙攣しはじめますが、心はどんどん落ち着いていきました。
自分の産んだ赤ちゃんを思い浮かべ、まだ生きていられたなら、元気な姿を見たかったとラスタは思いました。そしてソビエシュのことも思い浮かべ…
「陛下…陛下がラスタのことを嫌いでも、ラスタは陛下のことを愛していました…」
ロテシュ子爵が死んだはずの赤ちゃんを差し出し、ソビエシュがここを出ていいと舌の切られていないデニスがラスタを迎えにきてくれました。
庭ではアンとグローリーエムが遊びまわり、花が咲き乱れた美しい庭園では侍女に囲まれたナビエがいました。
そこにルベティが大事にしていた絵の中の人がいました。
「ラスタです」
ナビエは誰?と顔をしかめます。
「ラスタです」
ルベティはラスタが欲しいものを全て持っていました。そしてそのルベティが憧れていたのがナビエでした。
「ラスタです」
涙を流しながらそう言うラスタにナビエの冷たい表情が解かれ、ラスタに笑みを向けました。
「変な子ね」
そう言いながらもナビエはルベティと同じようにラスタを包み込みました。
ラスタの体は動きを止めました。
窓から入ってきた風がラスタの髪をなびかせました。
ラスタの遺体が発見されたのはそれから一週間たった後でした。
「再婚承認を要求します」 200話の感想
まさかのラスタの死…ソビエシュもなかなかのシーンですけど、ラスタに全て持ってかれました。
最後のシーンから考えると、ラスタはルベティに憧れていて、そのルベティが憧れているナビエに対しても憧れがあった感じですよね…
本当はナビエに振り向いて欲しくてあんなに執拗にナビエに絡んでいったんですね…全部空回りしてましたが…
恨んでいてもソビエシュが好きだったラスタ…こんなラスタがソビエシュ以外と浮気するとは思えず…やはり、グローリーエムはソビエシュとラスタの子な気がします…。
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