「再婚承認を要求します」の小説のあらすじと感想を紹介します。
前回のあらすじ
イスクア子爵夫妻の証言により、2人は皇帝を欺いた罪で死刑になり、そしてラスタも皇帝を欺いたとして罪に問われる可能性が高くなりました。ラスタは、泣きながらラント男爵に自分を逃がしてくれと頼みました。
「再婚承認を要求します」 194話のあらすじ ※ネタバレ注意
ラスタに逃がして欲しいとお願いされたラント男爵は悩みました。
ラント男爵はラスタが側室になった頃から彼女を支えていたこともあり、逃げることをラスタに提案しましたが、徐々に正気を取り戻していました。
ラスタに同情する気持ちももちろんありましたが、ロテシュ子爵が罪を認め、さらにイスクア子爵夫妻からの裁判での証言により、ラスタのおかれている状況は良くありませんでした。
ラント男爵は助けることをためらっていましたが、窮地に陥いり、助けを求めるラスタのことを可哀想に思い、 このままラスタを見放してしまえば、生涯悪夢を見ると思ったラント男爵は、首都を出るまでならとラスタに伝えました。
ラント男爵優しすぎる…
「一度だけであれば、陛下を見張っている騎士の目をそらすことができると思うので、すぐにお金や宝石をまとめてください。今から30分後に西宮の正門にいる騎士を離れさせるので、騎士が離れたら、まっすぐ進んで正門を出てください。そして正門を出たら、マントで顔を隠してください」
ラント男爵の言葉に従い、ラスタは必死にありったけの宝石や高価なものを集めて部屋を出ようとすると、そこに使用人のアリアンが待っていました。
アリアンってソビエシュからラスタの監視を任されてる使用人だったはず…
「逃亡をすれば陛下は不利になります。逃げるのではなく立ち向かい、もし過ちを犯したのであればその代償を払い、そうでなければ反論すべきです」
「見逃して!」
「私は陛下が間違ったことをしていると思うので、止める必要があります」
「法廷の人々の姿がどれだけ恐ろしかったか、見ていないあなたにはわからないのよ!」
「…わかりました。行ってください」
ラスタはアリアンにお礼を伝え、その場を去りましたが、先ほどまで引き止めてきたアリアンが突然見逃してくれる理由に疑問を持ちました。そして今まで自分を裏切った多くの人たちのことを思い出していました。
”アリアンを信じても大丈夫かしら…?もしかしたらすぐにソビエシュのところに逃げたことを伝えにいくかもしれない…”
ラスタは持っていたナイフを背中で握りしめ、アリアンに近づきました。
ラスタの感、合ってるとは思うんですけど、もう自分の手をも汚すのにためらいがなくなってきたラスタが怖い…
ラスタはラント男爵が指定した時間に西宮の正門に行くと、騎士がおらず、正門を通過することができました。正門を出たラスタはラント男爵に言われた通りマントを被り、顔を隠して歩いていると、小さな馬車が目の前にありました。馬車の中からラント男爵がちいさな声でラスタを呼びかけ、馬車の中に招き入れました。
招き入れたラント男爵はすぐにラスタの異変に気がつきます。
「血の臭いが…」
「追手に見つかったので、返り討ちにしたんです…」
震えながら答えるラスタに、ラント男爵はこれ以上問い詰めることはできませんでした。
そして椅子のふたを開け、ラスタに椅子の中に隠れるように促し、ラスタは椅子の中に隠れました。
馬車が動き出し、首都を出て、隣村まで半分に差し掛かったところ、突然馬車が大きく揺れてとまりました。
ラスタは何が起こったのか分かりませんでしたが、ラント男爵が 「トゥアニア公爵!」と叫ぶ声が聞こえました。トゥアニア公爵の名前を聞いて驚く間もなく、馬車が横転し、必死に外に出ようとしましたが、出ることができませんでした。
二アンの元旦那ですね!ラスタに唆されたせいで二アンと離婚したことを恨んでいましたよね…
ラント男爵は馬車には誰も乗っていないと伝えるも、トゥアニア公爵は兵士に馬車を槍で壊すよう命じました。
ラスタは椅子の中から出ようとしましたが、恐怖のあまり出ることができませんでした。その時、ラスタの入った椅子の蓋に鋭い槍の刃が貫通しました。
「中に人がいます!出してください!!」
ラスタは泣きながら外に出してもらうように懇願すると、椅子の中から引きずり出され、そのまま四方を兵士に囲まれてしまいました。
「お前のせいで私は妻を失った。お前の悪事を知ってからずっとこの日を待っていたんだ」
混乱しているラスタに対し、トゥアニア公爵がそう告げます。ラスタは恐怖のあまり、後ずさりしました。
その頃のソビエシュは、アリアンの状態を確認し、傷が肺に達しているアリアンを救うよう、治療魔法を使えるエベリーを呼ぶよう宮医に指示をしていました。
アリアン、助かるようでよかったです…
宮医が出てった後、ソビエシュは、カルル侯爵や護衛とともに、宮殿の横にある塔へ向かいました。塔の階段を上っている途中でカルル侯爵は、「事前にラント男爵を見張っていて良かったです。まさか、アリアンがラスタ様を助けるとは想定外でした。」と伝えました。
西大帝国では、カフメン大公はベンチに座ってナビエからの『3番目の商談もスムーズに決まり、貿易を無事にすすめることができた』と書かれた手紙を読んでいました。
貿易が始まったのにも関わらず、カフメン大公の心は荒れていました。貿易を始めてみたいという彼の望みは順調なのに、うれしくありませんでした。
その理由は、ナビエへの心とわかっているけれども解決策はありませんでした。
カフメン大公は、ベンチから立ち上がり庭を歩いていると氷の魔法で、皇后を救ったのは誰だったのか?という心の声が聞こえてきました。
カフメン大公は足を止め、こわばった表情であたりを見渡しました。
「再婚承認を要求します」 194話の感想
ラスタの逃亡劇、まさかトゥアニア公爵によって阻まれるとは思いませんでしたね。トゥアニア公爵からのラスタへの恨みがひしひしと伝わってきます。それほど、ニアンを愛していたのなら、なぜ彼女を信じず、バカなことをしてしまったのでしょうか…。ラスタの今後も気になりますが、ラスタを庇ったラント男爵とアリアンの今後も気になります。ラスタの逃亡を手引きしたラント男爵は罪を免れないでしょうし、ソビエシュの指示で動いているアリアンはなぜラスタを庇おうとしたのでしょうか?そういえば、トゥアニア公爵が今ラスタを捉えているのをソビエシュは把握しているのでしょうか…?これもしかして私刑でラスタ終わるなんてことないですよね…?次回、ラスタは一体どうなってしまうのでしょうか?