「再婚承認を要求します」の小説のあらすじと感想を紹介します。
前回のあらすじ
幸せそうに笑うナビエの頭上へズメンシア公爵が屋根から飛び降りました。カフメン大公はナビエを助けるためにナビエを覆うように抱えました。
「再婚承認を要求します」 199話のあらすじ ※ネタバレ注意
「ズメンシア公爵…」
ズメンシア公爵が屋根から飛び降りるところを遠くから眺めていたカトロン侯爵は崩れ落ちるように座り込みました。
…数日前、ズメンシア公爵はカトロン侯爵のもとへやってきて、クリスタが自殺ではなく、監禁され、侮辱を受けて殺されたこと、そして自分も妹であるクリスタが住んでいた場所で死にたいから協力してほしいと助けを求めてきました。
従兄弟であり、協力をしてくれなければ今すぐ死のうとするズメンシア侯爵の願いを断れないカトロン侯爵は死んだ後の妻や子供達のことを考えるように説得して協力することにしました。
そして昨晩、カトロン侯爵は屋根の上にのぼるズメンシア公爵が人目につかないように幻影魔法を使いました。
しかし、翌日になってもズメンシア公爵の訃報が届かなかったので、もう一度説得してみようと思って向かった矢先…。今回の騒動にカトロン侯爵は思わず口を塞ぎました。
あ、クリスタの住んでた場所ってコンプシャではなく宮殿の方を指していたんですね…
ズメンシア公爵の自殺について人々は噂しました。
その様子をハインリ直属の騎士団が調査し、マッケナに報告します。
「公開自殺をするとは…」
頭を抱えるマッケナに、カフメン大公から警告をされていた宰相たちは口を閉しました。
前話で宰相はカフメンに警備は万全だって言ってましたよね…
当時、ナビエは落ちてくる公爵に反射的に魔法を放ったため、ズメンシア公爵が落ちる速度は少しだけゆっくりになり、ナビエとカフメン大公の命は助かりました。しかし、その時頭を打ち、傷も大きかったため、今だに目を覚ましていませんでした。
落下したズメンシア公爵は即死でした。
ナビエの魔法は氷だけのイメージですが、訓練のおかげで様々な魔法を使えるようになったのでしょうか?あれ…カフメン大公って魔法学校首席でしたよね?バリア的な魔法はこの世界にはないのでしょうか…?
ハインリはマッケナにズメンシア公爵の遺言状について尋ねました。するとマッケナは遺言状ではないが、”クリスタは自殺ではなく、監禁されて殺害されたのだ”といった内容の手紙がズメンシア公爵の友人の家から発見されていることを伝えます。
「友人たちは彼がどんどん狂っていったと証言しています。ずっとお酒を飲んでいたようですね。」
「…狂ったのではなく、狂ったフリをして準備していたんだ。」
涼しい表情でハインリはそう呟きました。
ズメンシア公爵の行動は狂ったと言うにはあまりに用意周到でした。
公爵の妻や子供達を捕まえようとしたハインリでしたが、すでに3人は国境を超えていたのです。
カトロンの説得を実行してましたね…
ハインリはズメンシア老公爵しか警戒していなかった自分を恨みました。もし、公爵が生きていたらこの怒りをぶつけることもできましたが、それはできず、ハインリの目から涙は流れてないものの、赤く腫れていました。
そんなハインリを心配そうに見守るマッケナ…
ハインリは鉄格子の部屋にズメンシア老公爵とその息子の死体と一緒に入りました。
ん…?死体…?
悲鳴が響き渡り、血は扉の外にまで流れていき、血溜まりができました。
……。
そこにマスタスもやってくるとハインリたちはズメンシア公爵へ怒りをぶつけ、切りつけ始めました。
「お前は皇帝の器ではない!!」
息子を傷つけられたズメンシア老公爵はハインリに叫びますが、ハインリに頭を踏みつけられました。
「お前は兄を殺し、その妻を殺し、私の息子を殺し…そして私も殺すのだろう!王妃の一族が死んだとなれば、人々は噂し、お前は残忍な皇帝だと歴史に刻まれるだろう!」
「素直に殺してくれと言えばいいものを」
息絶え絶えに言う老公爵にハインリはそう言うと、皇后の命を狙ったとして、ズメンシア公爵一家とその使用人や兵士まで全員捕えるようにマスタスに命令しました。
部屋から出たハインリは返り血を流すために浴室に向かいました。ナビエの前では清潔な姿、純粋な心でいたいと思うハインリは何度も頭から冷たい水を浴びますが、鏡に映る自分から復讐心が消えることはありませんでした。
頭を冷やそうとしても、大好きなナビエが傷つけられたら誰だって冷静になれないですよね
世間の目を気にすれば、ズメンシア公爵の妻子を許した方が寛大な皇帝と見られるため、ハインリはそうした方がいいと考えますが、内心では子供達も殺したいと思っていました。
しかしそれをすればナビエが嫌がるだろうと思い、考えることをやめてハインリはナビエの元へ向かいました。
事故から半日たってもナビエは目覚めませんでした。ナビエの部屋では彼女の兄であるコシャールやニアンなど仲の良い貴婦人や侍女たちが集まり、悲しみに暮れていました。
ナビエを助けて欲しいと嘆く彼らにハインリは治癒魔法が使えるエベリーを呼び寄せていることを伝えました。
エベリーに魔力を返していなければ今頃…とハインリは恐ろしく思いました。
”ソビエシュは彼女を派遣してくれるだろうか?いや、送ってくれるだろう。まだ彼はクイーンを愛しているから…”
ラスタの裁判の日の夜、ナビエの部屋の窓を一晩中見つめていたソビエシュをハインリは思い出していました。
「再婚承認を要求します」 199話の感想
一命を取り留めたものの、未だに目覚めないナビエとカフメン…。あんだけカフメンが忠告したのに!!ハインリが怒りに飲み込まれながらも、最後にはナビエを想って行動してくれるところにすごい愛を感じますね。ハインリの残酷な描写はちょっと省略してますが、数時間に渡る拷問だったとか…。さりげなくマスタスも参加しているところから、マスタスのハインリからの信頼度の高さやナビエへの忠誠度が伺えますね…。
ナビエはやっと妊娠して、笑顔で幸せになれると思ったのに…早く本当のハッピーになって欲しいです!!