LINEマンガで人気配信中の「ハーレムの男たち」の続きが気になったので、原作小説を翻訳しました!
LINEマンガ30話、31話、32話の内容になります!
前回のあらすじ
暗殺集団の黒林とタッシールは深い関わりがありました。そしてその黒林は単なる暗殺者集団ではなく、皇帝の命のもと動いていたことが明らかになります。そんな黒林にラティルが先皇帝を暗殺した容疑者だと疑われていることを知り、ラティルはその理由を尋ねます。
「ハーレムの男たち」28話(小説)のあらすじ ※ネタバレ注意
カルレインは腰にある剣を持とうとしましたが、剣は執務室に入る前に取り上げられていたため、剣を持つことはできませんでした。タッシールはニヤニヤと笑っていましたが、ラティルはハーレムでタッシールがカルレインに殴られるのではないかと少し心配します。
宴の席でもフォークで刺されそうでしたよね。笑
ラティルは2人を仲裁し、カルレインにもう一度部屋から出ていくように指示をします。
カルレインが出ていくとサーナット卿がドアを締めます。
ラティルがタッシールに話すよう指示し、タッシールは話し始めました。
タッシールたちがラティルを疑ったのは、先皇帝が暗殺される前に黒林に命令した内容が原因だったと言い、その内容はラティルの調査でした。そして、なぜラティルを調査するのか、その目的は聞いていなかったと言います。その命令のあとすぐに先皇帝が暗殺されてしまったため、時期的にラティルを疑わずにはいられなかったと説明します。ラティルは最初、タッシールのいうことが信じられず、嘘ではないかと想いますが、アンジャス商団はタリウム帝国と深く関わりのある商団だったので、その後継者がすぐバレる嘘を言うはずはないと思い、その言葉を信じます。
ラティルがなぜ側室に入ったのかと尋ねると、調査の結果、ラティルが犯人ではないと確信した後、自然と近づく方法を探したらこうなったと説明しました。
そしてタッシールは、黒林は歴代の皇帝の命に従ってはきたが、完全に皇帝の所属ではなく、緊密な協力関係に近いと言いました。
ラティルは『父親を殺した』という手紙をもらった時も複雑な気持ちになりましたが、父親が自分を調査していたことが一番複雑でした。
父親に疑われていたのかと思うと複雑ですよね…
その日の夜にタッシールはラティルに黒林の忠誠文書を持ってきて見せました。ラティルはそこで歴代皇帝の印章を確認し、それが本物であることを確認しました。
「私の言うこうと信じるでしょう?」
「君が言うことが本当だとは分かったけど、君の言うことを全て信じるという意味ではないよ」
「陛下はずっと黒林が先皇帝を暗殺したと疑い続けますか?」
「必ずしもそうではないよ」
「?」
「私は君たちを疑っているのではなく、全てを疑っている。娘で後継者でもあった私も容疑者にあがった。じゃあ、私は私ほど父親の信頼を受けられなかったすべての人を疑わなければならない。」
そういったラティルはタッシールに引き出しから取り出した手紙を渡します。
「確認してごらん。これもお前が残したの?それとも黒林?」
「この質問をするために見せたのですか?」
「私にそんな風にいったのはその手紙を書いた人と君だけだ」
「黒林からのものではありません。確かなのは、誰か、私達に先皇帝の暗殺、墓の落書き、犯人として陛下を名指しすることまで全てを被せたがっていることです。」
ラティルはその犯人が誰か見当つかないかタッシールに尋ねますが、敵が多すぎてタッシール側でもわからないとのことでした。
ラティルが考え込んでいるとタッシールの視線が気になり、なにか言いたいことがあるのか聞くと、タッシールは自分を陛下の部下としか見ていないのかと尋ねます。初めは側室として扱われたものの、黒林のことを明かしてからラティルが部下のように扱うのをタッシールは不満に思っていました。ラティルが『男に対する』接し方はどうすればいいかと尋ねるとタッシールは「口づけ?なです?お望みならばそれ以上のもの?」というのでラティルはタッシールの頭をゴシゴシとなでました。「愛情が入ってないのですが…」とタッシールが言うと、「撫でてくれって」とラティルが言うのでタッシールは笑って曲がった腰を伸ばしました。
タッシールの思惑通りにはいきませんね笑
ラティルは早朝に1人で抜け出し、頭がこんがらがっていたのでゆっくりと散歩しました。その後ろに続くのはサーナット卿だけでした。
サーナット卿と目が合うと「どうしました?」とサーナット卿がラティルに声をかけます。
「今気づいたのだけど、サーナット卿は私が話そうとするときに話しかけてきますね」
「いつもではないですよ」
「そうですよ。いつもじゃないけど、よくそうです」
「いつも一緒にいて頻繁に話しかけると面倒ではないかと思いまして」
「面倒ではないですよ」
「では話しかけてもいいですか?」
「うん、だめです」
「人の心を振り回すのはひどいです」
「サーナット卿はこれぐらいで振り回されないと思いますが」
「ご存じないようですが、私の心は振り回されやすいのです」
ラティルはくすくす笑い、サーナット卿と冗談を交わしたおかげかさっきよりも気持ちが楽になっていました。
「そんな人がどうしてまだ結婚していないのですか?」
「…。」
…。一番聞いてはいけない人が聞いてしまったよ!
その質問をした途端、急に空気が重くなり、サーナット卿が作り笑いをしたまま、再び自分の後ろについて歩くようになったので、失言したかな?と思い、サーナット卿を呼ぶと
「初恋が痛くて…」
「初恋の人は誰ですか?」
「もう結婚している人です」
「うん、もっといい人が現れるといいですね」
「いません、そんな人」
あれ?サーナット卿の好きな人ってラティルだよね…?
「ハーレムの男たち」28話(小説)の感想
真犯人は分からずじまいでした。タッシールは側室、黒林の首長と2つの顔をラティルに見せたことで、ラティルから部下のように扱われますが、以前初恋の人を調べたタッシールはどんな手でラティルに近づくのでしょうか?
そしてサーナット卿…切なすぎる…密かに初恋が実ることをいのります…。