「再婚承認を要求します」の小説のあらすじと感想を紹介します。
前回のあらすじ
ラント男爵の手助けにより、首都から脱出したラスタ。しかし、トゥアニア侯爵によって逃亡を阻まれてしまいました。西大帝国では、ナビエの手紙を読んでいたカフメン大公の耳に”氷の魔法で皇后を救ったのは誰だったかのか”という心の声が聞こえてきました。
「再婚承認を要求します」 195話のあらすじ ※ネタバレ注意
カフメン大公が声の主を探しますが、庭では多くの人が行き交っていたため、見つけることは困難でした。そこでカフメン大公は、ナビエが足を凍らせた使用人を調査している調査官に会いに行くことにしました。
調査官に会いに行ったカフメン大公でしたが、外国人という理由で調査内容は教えてもらえませんでした。そのため、カフメン大公は調査官の心の声を聞き、足を凍らされた使用人はナビエに危害を加えるつもりはなく、お金のためにやったこと、そして依頼人はマントで顔を隠していたため誰かわからないという情報を手に入れました。
カフメン大公は直接その使用人の心の声を聞けば何かわかるかもしれないと考えていると、”何かを知っていてあのようなことをしているのか?”という焦ったような心の声が聞こえました。聞いたことのあるその心の声にカフメン大公はゆっくりと振り返りました。
次に心の声の主が分かるのですね!カフメン大公が聞いたことあるとすれば、今まで登場したことある人物…ですよね?
ソビエシュはデリスがいる塔に向かいました。ソビエシュを見たデリスは丁寧に挨拶をするものの、その姿は憔悴しており、不自然なほど口はかたく閉じられていました。
ラスタに舌を切られてるから口を閉じているのでしょうか…?
「もうラスタが君に危害を加えることはないだろう」
ソビエシュはそう言って金貨が詰まった袋を渡し、これを持って家に帰るように伝えました。ソビエシュに助けてもらったことをデニスは感謝しました。
ソビエシュは離れていくデリスに護衛をするように騎士に指示をすると、カルル侯爵とともに執務室に戻りました。
執務室に着くと、カルル侯爵はソビエシュに疑問を投げかけます。
「なぜラスタ様が逃亡したことをトゥアニア公爵に教えたのですか?彼は裁判前にラスタ様に危害を加える可能性がありました。」
「ラント男爵がいるから腹を立てていても危害を加えることはないだろう」
「それでもです。ピルヌ伯爵が適任だったのでは?」
「トゥアニア公爵はバカだから」
「はい?」
”私と同じぐらいな”
ソビエシュはトゥアニア公爵を自分と同じようにバカだと思っていました。
神殿はソビエシュとラスタの結婚を無効にしないだろうし、仮に無効になったとしても、ナビエはすでに他国で皇后となり、妊娠までしていたため、ナビエが自分のもとへ戻ってくる可能性はありませんでした。トゥアニア公爵も、妻を愛していたのにバカなことをして手放してしまい、ソビエシュはトゥアニア公爵を見ると、まるで自分を見ているようで苛立ちました。
だから今回、トゥアニア公爵がどのような行動をするのか気になって、ラスタが逃亡したことを教えたのでした。
えええ…それで今自分の妻であるラスタを使うって…
宮殿を出て、久しぶりの自由になったデリスの気持ちは喜びに満ちていました。
大通りを歩いていると、人集りがあり、罵声が飛び交っていました。その中に「皇后」という言葉が聞こえ、デリスはその人集りの中に入っていきました。そこには兵士に無理やり連れていかれるラスタの姿があり、デリスはできるだけラスタのそばに近づきました。ラスタがデニスに気がつき、2人はしばらく見つめ合った後、デニスはラスタに切られた舌を見せるようにして笑顔を見せました。
切られた舌も怖いし、それを見せるように笑うデニスは怖すぎる!!!
ラスタが気を失ったまま引きずられてきたと報告を受けたソビエシュは、以前ラスタが恐ろしいものを見た時に気絶したことを思い出し、ラスタがデニスと遭遇したのではないかと思いました。
ソビエシュめちゃ勘がいい!!笑
ラスタがデリスの舌を切るように命令したことを知ったソビエシュはすぐにデリスの元にいきましたが、すでに舌は半分に切られた状態で、エベリーの治癒魔法でも修復はできませんでした。
一応ソビエシュは助けてあげようとしてたんですね…切られた舌をみた兄ジョアンソンの反応も気になる…
「ラスタ様が目を覚ますたびに陛下を呼んでいますが、どうされますか?」
「会わない」
笑っていてももの悲しく見えるラスタに2人きりで泣かれたら、同情してしまうかもしれないと思ったソビエシュは会うことを拒否しますが、1度は会って話さないといけないと思い直し、会いにいくことにしました。
部屋についたソビエシュは医師にラスタの容体を確認すると、馬車が倒れた時に打撲はしたものの、それ以外は大丈夫だということでした。しかし、大きなショックを受けているようで、それを聞いたソビエシュは人払いをして、ラスタと2人きりになりました。
「起きているのは知ってる。寝たふりをするのはやめなさい」
「…」
「逃げるのは間違った選択だったな」
「そうなるように追い込んだのは陛下ではないですか!」
「私がか?選択したのは君だろ、ラスタ」
「ラスタは閉じ込められていたから外の様子を知ることはできませんでした。陛下が裁判を見に行くように言わなければ…。わざと見せたのですか?私が恐怖で逃げ出すように」
「まさか。君はいつも人のせいにするな。自分で選んだことくらい責任を持ったらどうだ?」
「陛下は?陛下も私を責めるじゃないですか!」
「私が?」
「陛下がナビエ皇后の名を呼びながら泣くのを見ました。陛下は皇后と別れた腹いせにラスタを追い詰めるんですよね?」
「…君を皇后にし、ナビエと別れたことは私の間違いだ。君を信じたことすら…」
「…」
「だが、君が犯した罪は君が背負わなければいけない」
「ラスタが何をしたっていうんですか?」
ラスタは本気で自分悪くないって思ってますよね…
ソビエシュは証拠は全て揃っているため、自白の必要はないと言い、部屋を出て行こうとすると、ラスタはソビエシュを引き止めようと抱きつきます。
「素直に廃位を受け入れます!離婚もしますから私とグローリーエムをどこか静かな田舎で暮らせるようにしてください。裁判を受けたくないんです!人々が怖いんです!」
ソビエシュはラスタの手を振り払い拒否しました。
「陛下は罪を犯しても罰せられないのに、どうして罪のないラスタが罰せられるのですか!」
「お前の罪はなんなのか、裁判で聞くがいい」
「私が逃亡奴隷だと陛下が知っていたことを人々に話します!どうせ死刑なら全部話してやる」
「言えばいい。どうせ証拠もないし、お前の話を信じたとしても愛に目が眩んだ愚かな皇帝と思うくらいだ。だが、そんなことを言えば、お前の子供はどうなる?両親ともに重罪人なら子供は奴隷だ。」
子供の父とされるアレンは皇室を欺いた罰として死刑でしたね…
「くそ!お前はエルギ公爵より悪い!皇帝なら何をしても良いのか!!」
ラスタはソビエシュに掴み掛かろうとしますが、ソビエシュは簡単に避け、部屋を出ていきました。
「再婚承認を要求します」 195話の感想
心の声の主、めちゃくちゃ気になりますね…西大帝国にいてカフメン大公も知っている人物となるとだいぶ限られてきますよね…。無事デリスが解放されてよかったです!ソビエシュはデリスの舌を治そうとしていたんですね。デリスの舌を修復する描写で少しだけ直った的なこと書かれてたんですよね…ちょっとよくわからなかったんですけど、完全に切られた舌より、中途半端に治ってる舌の方がもしかしたらグロいかもしれないと思いまして…ソビエシュが思い当たるぐらいのグロさではあったんですよね。ただ、舌を切れと命令したのはラスタなのに、それを見て気絶するって…とも思ってしまいました。自分がいかに残酷なことをしたのか思い知ったと思います。いや、最後に自分の罪を認識してなかったんで、わかってないってことですかね…?いつもラスタが想像の右斜め上を行くのでもはや恐怖を感じてしまいます。